増築とは現在の建物に新しい建物をつけ加えることを言います。現場調査の時に気付ける点は用途地域や防火地域などにより異なる場合もありますが、基本的には10㎡以上は建築確認申請という許可が必要となります。6畳の増築で9.9㎡となりますので6畳以上と覚えておくと良いでしょう。その場合に必要な書類や現場で確認する項目を説明します。
建築確認申請が必要な場合,書類で確認する項目
- 用途地域・・・
建物の高さや土地の面積に対して建てられる面積を確認します。法務局で確認できます。
- 建ぺい・容積率・・・
土地に対しての建てられる建物の大きさを確認します。カーポートも面積に含まれますので注意が必要です。
- 築年数・・・
新耐震基準(昭和56年 1981年)以前の建物の場合、既存部分も新耐震基準の耐震強度を求められる場合があります。その場合、既存建物部分も壁をはがして補強をしたりと大幅なリフォームが必要となりますので事前に確認しましょう。
それ以外でも境界の杭が正確な位置にあるか、敷地内に違法建築物がないか、全面道路の幅は確保できるかなど、いといろとありますので、確認申請が必要な場合、建築確認を申請する建築士を含め話を進めて行くことをおススメします。建築士と打合せする際にも事前に法務局に行き要約書や公図などの書類を準備しておくと話がスムーズに進みます。
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リノベーションなど大きな工事では後々、トラブルにならないように現場調査時にに床や壁の傾きを確認して下さい。お客様へのパフーマンスにもなります。
リフォーム工事の場合、少し使用するのに延長コードやドラムなども用意するって意外と面倒です。リフォーム工事後の清掃にあると便利です。
現場で確認する項目
現場で確認する項目は,
- 増築する外壁面に障害物はないか?
- 既存床や屋根又はバルコニーの高さ、敷地の高低差
- 増築する出入口の場所
- 電気の分電盤
- 水廻りがある場合は排水桝の位置、経路
主な確認する部分は上記ですが、後で判断できるように分からない場合は写真をたくさん撮っておく事をおススメします。上記の詳しい説明は下記の通りです。
- 増築する外壁面に障害物はないか
増築する面に障害物があると、その撤去や移動費用が掛かりますので気付けましょう。具体的な障害物は次の様になります。
電気やガスのメーターやキッチンの換気扇
エアコンの室外機や雨樋
トイレや24時間換気扇フード
それ以外でもテラス屋根やガスボンベ、下水の升、水道管などありますので、現場調査時に必ず確認しましょう。
- 既存床や屋根又はバルコニーの高さ
増築で新たに屋根をつくる場合、水の流れる方向を考慮した提案が必要となります。考慮せずに提案してしまうと、後々に水が溜まり雨漏りの原因となります。現場調査の際に高さを確認しそれを元に適切な形状や材質の選定をして下さい。具体的な水の流れ方向と屋根の形状は下記の通りです。
上記を考慮しても図の□部分に増築をする場合、下記のような不具合が出る場合もあります。
上記と同様で元々の屋根の軒先高が低く、室内の天井高を一般的な高さにすると。既存の屋根の高さを超えてしまい。雨漏りの原因となる
水の流れを考慮し、元々の屋根と平しても屋根勾配があり、室内側の天井の高さが低くなってしまう。
屋根勾配を緩くして水の流れは考慮したが、勾配が緩すぎて瓦やコロニアルの材料が使用できず、元々の材質とは違う板金の屋根になる
上記の様に何かしらが原因で屋根の素材が使用出来ない場合、壁を少し造り、バルコニーに使用するFRPで施工すると言う事も出来ます。いずれにしても形状や素材によって見積金額も変わってきますので、現場調査の際に高さは必ず確認しましょう。
それ以外でも敷地に高低差がある場合、増築前に土が流れないようにブロックなど土留め工事が必要な場合もありますので、写真を撮っておくと後々、分かりやすいです。
- 増築する出入口の場所
筋交いとは・・・
斜めに材木を設置し建物の横揺れを防ぐ材料です。安易に撤去してしまうと建物の耐震強度を弱めてしまいますので注意しましょう。最近の建物では合板を代替えに使用している所もありますのでこちらも注意が必要です。
図面で確認する場合は右図のような表記となっています。
シングル筋交い(1本)
ダブル筋交い(2本)
現場調査の際や図面で確認が出来なくても、建物の角には筋交いがあるものと想定した提案が良いと思います。増築など部分的な改修工事では補強ができないなんて事もありますので、建物の強度を弱めない為にも角の筋交いなどはなるべく、撤去しない事をおススメします。
- 電気の分電盤
電気の分電盤は空き回路があるか?ないか?になります。詳しくは電気工事(分電盤編)で説明してありますのでご確認下さい。
- 水廻りがある場合は排水桝の位置、経路
トイレや洗面台などの水廻りがある場合は排水や給水の経路、桝の高さなどの確認が必要になります。こちらも詳しくは外部水道工事編に記載しています。
増築編は以上となります。